ヨーグルト

　母親曰く、ヨーグルトとナタデココは最強、らしい。なにが最強なのかはわからないそうだ。

　その影響で僕もヨーグルトを食べるようになった。最近のお気に入りはBifiXというやつだ。味は給食についてきたような硬いヨーグルトに近い。他の大きなヨーグルトは無糖が多いが、これは砂糖が入っており甘いのがいい。無糖ヨーグルトだって甘みを後で入れたほうが美味しい。甘みを入れる手間が必要ない分、これは手間が少ない。

　１パックに複数入ってるヨーグルトは甘いものが多い。その中でも、十勝ヨーグルトが好きだ。他のとはミルク感が違う。牧場味を感じる。ただ、量が少なく、容器の形も口が狭くてヨーグルトをすくい出しにくい。小さいスプーンで少しづつ味わってください、というメッセージだろうが、僕はそんなものは受取拒否する。大きいスプーンでわしわし食べて、残ったのはスプーンで崩して飲み干す。わざわざ４個に包装しているが、それも関係ない、一度にすべて食べる。そして、悪い笑みを浮かべる。

　僕が保育園児の頃、だいたい平成が一桁の時、僕たち家族は１つのヨーグルトにハマった。エルピアという名前だったと思う。インゴット型の容器に充填された硬いヨーグルトで、独特な甘さがあり酸味は少なかった。味は十勝ヨーグルトとフルーチェの間くらいが近い。特に印象に残っているのは食感だ。硬いヨーグルトなのだが、葛みたいに粘度があって、舌に吸い付くような感じがあった。このエルピアはもう製造されておらず、食べることはできない。

　ああ、エルピア食べたい