羊田六色のブログ

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接続詞と小説

はじめに

しばらくブログを書いていなかった。すばる文学賞に向けて小説を書いていたためだ。 小説を書いていると、接続詞が文章の形態に大きな影響を与えていることに気がついた。 そんなわけで、接続詞の使い方を調べたのでそれをここにメモしておく。

接続詞の働き

  1. 文と文の繋がり方を示す。
  2. 文を分ける。

接続詞には主に上の二つの働きがある。 1は接続詞という名前の通り、文と文を接続し、そのうえ、どんな繋がり方をしているかを予告する働きだ。 2は接続詞が文と文の間にあるものであるため、逆に文のかたまりを分断してしまう働きだ。

小説中での働き

小説は流れていくストーリーを読者に追ってもらうものだ。そのため、文章は続いていることが望ましい。 接続詞は文を分ける性質があるので、文章がそこで中断してしまう。つまり、小説の流れが変化する。 一方で、完全に接続詞を使わない小説は流れがのっぺりしている印象をうける。また、接続詞が使われていないと意図を読み取りにくい。

実際の小説でどう使われているか

  • 時代を遡るほど使用率が増える。
  • 説明パートは多用し、物語パートでは使わない。
  • 文章のテンポが早いところ(話が変わるところ)で多用する。
  • 強調するところに使う。

志賀直哉がてんやわんやする場面で接続詞を連用して速いテンポを表現したのが印象的だった。やはり小説の神様は伊達じゃない。

接続詞の勉強の方法

まずは接続詞に注目した文章指南書を二冊読んだ。どんな接続詞があるか知れたのが良かった。 適当な短編集を買って接続詞にマーカーを引いていった。短編集でも様々な年代のものを収録したものを選んだ。 好きな作者の小説を同様にマーカーを引きつつ読んだ。ちなみに、僕は志賀直哉の文章が好きなのでそれでやった。

接続詞に注目してマーカーを引くことは、接続詞の使い方を勉強する上でとても効果的だった。この後も続けたいと思っており、最近発表された小説と自分が書いて投稿したものでやる予定だ。 接続詞と同じく気になっているのが語尾だ。これも少し調べてみたい