ハウス オブ グッチ
正直、おもしろくはなかった。というか、おもしろく見る映画ではなかった。
物語について
伏線は序盤によくあったが、それは小さく、物語には大きく関わってこなかった。 また、典型的な悪女とボンボンの話であるため、だいたい筋が予想できてしまい、またそのとおりに進んでいく。 物語に起伏も大きな出来事もないので、退屈だった。
表現について
こっちはかなり良かった。 グッチ一族の凋落が進むにつれて、画面の色合いがあせていった。しかし、パトリツィアは色あせずにいた。 僕はこれを彼女は最初からまったく変わっていないという意味だと受け取った。強欲であり、それゆえあせない魅力がある。力があるといっても良いかも知れない。 一方で、精神的に追い詰められているのも感じ取れた。物語が進み追い込まれていくにつれてアイシャドウが黒く濃いものになっていたからだ。
序盤でマウリツィオとパトリツィアが幸せそうに過ごしている場面があった。 そこで彼らがセックスするシーンがあるのだが、それは獣がしているようだった。 たぶん彼らが本当に、グッチ家の一員でない人間であった場合の生活がそこで描かれていたように思う。
最後に
この映画を見たらグッチを買いたくなくなると思う。 この映画の後、どのようにしてグッチが復活したのか、そちらも知りたくなった。