羊田六色のブログ

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「本当」

 amazarashiの「帰ってこいよ」をもし五年前に聞いていたら、僕は泣いたかもしれない。

 僕は名古屋を出て関東に進学をした。そこで勉強して研究者になりたかった。しかし、僕はなれなかった。単純に僕は勉強ができなかった。それでも、と頑張るうちに、講義に出られくなった。そして、大学を中途退学した。名古屋に落ち延びてやってきた。それからも困難は続くのだけど、それは話すべきことじゃないと思う。

 未だに僕には学問へのあこがれはある。いつか学位を取りたいとも思っている。ただ、しばらく離れているうちに、僕は研究者になって何がしたかったのだろう、と考えるようになった。偉ぶりたかった。それもある。ただ、世界を知りたかった。それもある。しかし、それは研究者でなくてもできることだ。そうして、考えているうちに僕は「本当」が知りたかったのだと思うようになった。

 僕にとって「本当」は嘘偽りがないという意味ではない。もっとも素の部分、物事の核、それを僕は「本当」と呼ぶ。それを知るには議論して、意見をぶつけ合わせる必要がある。常識はずれな意見や非道な意見も洗いざらい議論の俎上に出してだ。僕はこれをしたい。

 この思いが、僕に小説を書かせている。いずれ世間にぶつけてみたい。