羊田六色のブログ

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ロケットデッキのあれこれ

 使いたいカードがある。それを使うだけで満足するかといえばノーである。それを使って勝てば満足するか? それもノー。

 僕は遊戯王が好きだ。だけど、大会というものに参加したことは殆どない。初めて大会に出たときに、対戦相手にリビングデッドの呼び声サイコショッカーにボコられて以来、かなり苦手意識を持っている。そのため、遊戯王といえば友達や弟、父とやるものだった。また、カードショップ(そのころは専門のところはなく、僕の近くでは古書店がやっていた)に行けば勝負できる同年代の子はわんさかいた。

 そんな訳で僕はすくすくとコンセプトデッカーに育っていった。コンセプトデッカーは、トーナメントで勝つことではなく、コンセプトを満足しながら勝つことを目指すプレイヤーだ。

 コンセプトを意識して初めて作ったのが「ロケットデッキ」だ。コンセプトは僕の名刺となるデッキで、宇宙開発が好きだということをわかってもらえれば良いと思っていた。中身はかなりお粗末で、ロケットと名前につくモンスターを入れて、さらに「No.9 天蓋星ダイソン・スフィア」を出すためのギミックをぶっこんだ。ロケット戦士で攻撃力を下げて、「No50ブラックコーン号」の効果で墓地に送ってバーンダメージを飛ばすコンボはよかった。しかし、他が噛み合っていなかった。

 その後、しばらくの悩みつづけた。その間に上述のコンボの中心になる「ロケット戦士」を相棒として活躍させるというコンセプトへ変わっていった。そして、「混沌空間」と「神剣ーフェニックスブレード」のコンボを使った「ロケットデッキ2」が完成した。コンセプトの変更に伴い、最初のロケットデッキから戦士族以外のカードが抜かれ、「ロケット戦士」を活かすために「緊急同調」などバトルフェイズで展開のできるカードを投入した。しばらくはこのデッキでデュエルをしていた。

 ある日、ふと「ロケットデッキ2」はこのままで良いのだろうか? という不安が僕の中で首をもたげた。このデッキは結構強かった。また、新しいカードを受け入れる柔軟性も合った。でも、元々の「ロケットデッキ」のコンセプトである宇宙開発が好きだ、という思いからは離れてしまっていた。宇宙開発は日進月歩の世界だ。この「ロケットデッキ2」の強さに甘えて進歩を忘れてしまっているようでは元のコンセプトを満たせない、そう考えた。

 それから、ペンデュラム型や明と宵の逆転型、自爆バルムンク型といろいろ試した。そして、最近ようやく形になった。これを「ロケットデッキ3」と言おう。一番の変更点は「ロケット戦士」を場に残し続けることだ。先のコンボで言えば、「ロケット戦士」を素材にするのではなく、「ロケット戦士」の横に「No50-ブラックコーン号」を立てるようにした。また、コンセプトを満足する仕方も変えた。デッキの構築でコンセプトを満足するのではなく、そのデッキの戦い方でコンセプトを満足することにした。僕は「柔軟な戦い方」と「犠牲をいとわない勝利」をコンセプトにした。どちらも僕の宇宙開発のイメージから取ってきた。

 そんな訳で、今僕はデッキ作りではとても満足している。だが、デュエルができていない。飢えている。乾いている。デュエルがしたい死体。