羊田六色のブログ

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プロットと登場人物表を作る?

 ふと他人はどんなふうに小説を書き始めるのか気になった。

 つい半年前までは僕は設定資料を作らずに書き始めていた。これでも案外書ける。しかし、話に矛盾が生じたり、人物に深みがなかったり、と満足できる質にならなかった。その時は僕の経験不足が原因だと考えていた。今思えば怠惰な考えだ。

 そして半年前、僕は「小説家になって億を稼ごう」という新書を読んだ。衝撃を受けた、ということはなかった。ただその中に出てくるプロットの書き方は簡単そうで怠惰な僕でもやれそうに見えた。だから、やった。そうして完成した二つの小説は今年の文學界新人賞群像新人文学賞に応募させてもらった。

 プロットを書いてから小説を書くようにしたことで、一番驚いた効果は文章が書きやすくなったことだ。プロットを書いていないと書く作業はもちろん、次の文を想像する作業と前の文を思い出す作業もしなければならない。しかし、プロットがあれば前の文は思い出さなくても良いし、書く方向は決まっているので想像も簡単だ。そうしてできた余裕で表現の仕方などを考える余裕ができた。

 もう一つ、プロットと一緒に登場人物表を作るようになった。僕はプロットを書き、必要な役を洗い出してから登場人物を考えるようにしている。もちろん、登場人物の詳細が決まればプロットも変えるところはできる。つどプロットは変えていっている。しかし、登場人物表が一番重要になるのは実際に本文を書くときだ。表現の方法、比喩の選び方、言葉選びなどを登場人物の属性から想像することが多い。

 舞台となる土地も設定しておくと良いとは思う。しかし、僕はよく知った現実の土地を舞台にすることが多く書いたことがない。